The big discussion “Bilingual education for children in Japan”Part 3. From the results of “English Proficiency Examination 3rd grade”for junior highschool pupils 日本におけるこどもバイリンガル教育のあり方(その3)日本の中学3年生の英検3級合格率:わずか2~4割という現状

  • 2016年2月2日の朝日新聞朝刊において、日本の中学3年生の英検3級合格率:わずか、2~4割という現状が、報道された。

 

  • 来年の2017年度までに、中学卒業時、英検3級以上の英語力を2人に1人の50%に!が文科省の目標であるという。今のこの日本の英語教育システムでは、難しいのではないか。

 

  • “発達脳科学”的側面から解説すると、ここには、重大な問題点がある。それは、英語の聞き取りには、その発達年齢的な臨界期(”Critical Period of Language “)があるということである。

 

  • これは、音楽の“音感の発達時期”として、幼児期が重要視されていることにも共通する。 
  • 言語も音楽も、聞き取り(聴覚・言語理解中枢)⇒ 記憶(海馬)⇒ 思考(前頭前野)⇒ 表現(運動・発語中枢)の主たる脳回路が、この時期に発達する。今回の結果は、この“生理的”言語発達(すなわち、幼少期の聞き取りから始まる)の原則にそぐわぬ教育が、まだ日本で行われていることの証である。[参考文献:大井静雄・著:こどもバイリンガル 育脳のすすめ  発行:WBI Publications 2014]

 

  • この発達時期を逃すと、音楽脳と同様に、バイリンガル脳の脳回路の発達は、次第に困難となる。それも、話すとか、書くことは、何とか自分なりの表現でできたとしても、聞き取りから始まるバイリンガル脳の脳回路の発達は、幼少期の方がはるかに速く、かつ正確である。[参考文献:Oi S: The Development Quotient in English [EDQ] as an Indicative Scale of English Language Neuronal Development in Nonnative Children’s Brain.Journal of Hydrocephalus 4:10-24, 2012] 

 

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  • 私の初孫は、今8歳(小学校2年生)だが、 乳児期から楽しいキャラクターと英語で遊ぶDVDが大好きになり、 完璧なバイリンガル脳が芽生え、8歳で英検3級を軽々と取得した。

 

  • 発達脳科学的な意見をもうひとつ付け加えると、お母さんのおなかにいる赤ちゃんの聴覚は、6ヶ月(24週くらい)から発達しはじめる。この時点で、英語のおうたや言葉を聞かせてあげるのも、バイリンガル脳の発達に有効である、と言われる。

 

  • バイリンガル脳の早期英語教育で、日本語の発達を心配する声もあるが、前にも述べたように、バイリンガル脳のこども達における日本語発達は、遅れるどころか、むしろ通常を上回ることが圧倒的に多い、という私たちの研究論文報告を参照していただきたい。[Oi, S: Bilingual Neuronal Development with English Communication enhances Verbal Development Quotient in Japanese [vJDQ] in Japanese Children. : “Oi Kids’ Brain EDQ” Cohort Study II. J. Hydrocephalus. 6(1):40-44, 2014]